DRC モンラッシェ 元栽培責任者という華麗なる経歴シャサーニュ モンラッシェ村のトップのひとつとして長く君臨し続けた偉大なる父ベルナール・モレから2007年に畑を譲り受け、いきなり彗星のごとく頭角を現したトマ・モレ。彼は父の下ではもちろん、カリフォルニアなど世界で最新の醸造を学ぶなど研鑽を積んできました。その卓越した感性と才能にいち早く着目したのが厳しいことで知られるDRC当主オベール・ド・ヴィレーヌ氏。トマは自らのドメーヌと並行して2007年から2009年までDRCのモンラッシェを栽培責任者として担当し、その類まれなる才能を如何なく発揮しました。自分のドメーヌが忙しくなったので残念ながら3年でその職を自ら退きましたが、ここでの経験は何物にも替えがたい素晴らしいものだったと語っています。彼のワインは恵まれたテロワールの素晴らしさを最大限に活かし、得られる全ての要素を余すところなく表現した見事な造り。確かな知識に裏打ちされた巧みな造りと天性ともいえるその優れた感性との融合から生まれるワインは他の追随を許しません。近い将来、必ずやブルゴーニュの今後を背負って立つであろう彼のワインからは彼と、この村の輝かしい未来をはっきりと感じることが出来ます。ドメーヌでは以前からビオに取り組んでおり、2011年産からは殆どをビオロジックにし、また一部はビオディナミにしました。ビオディナミにしたのはダン・ド・シアン、ヴィデ・ブルス、モルジョ、アンブラゼ、トリュフィエール、バタール、サントネ、マランジェで今後も広げていく予定。DRCで働いていた時に実践していた全く同じ栽培法を取り入れているとのことです。現状に満足することなく、さらなる高みへと登り続けているのです。 | |
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2011年産からリリースされているキュヴェで、1970年と1980年に赤土粘土層の深くに植えられたブドウから産する。フレッシュなレモンや白い花、蜂蜜や硬質なミネラルを感じさせる。濃密で厚みが有り、粘性も高い。リッチだが、シャープな酸があり伸びが有り、余韻も長め。 | |
リアルワインガイド92+/93+シャサーニュ1erになると緻密さとともに構成力がグンと増した香りとなる。19年ヴィンテージはそういったことをとても分かりやすく提示してくれる年だ。とてもメチャいい香り。口に含むと液体が美しく凝縮している。目が詰まり、複雑性がより増し、フルーツとミネラルと大地の養分の味わいがひと塊となって味蕾(みらい)を襲う。それでいて透明感もすごい。どーしたらこういうワインがが造れるんだろう?(21年7月試飲)トマ・モレ 2019「2019年は特別に変わった年、コントラストが強く出た年でした。収穫時は、期待を超える結果に多くの生産者が喜びに包まれ、滞りなく作業が進みました。気候は暑くて乾燥していましたが、ワインには明らかにフレッシュ感があり、愛好家の皆さんを喜ばせてくれそうな甘やかさが備わっています。唯一水を差されたのは、収穫量が多く得られなかったことです。5月から6月初旬までの熱波の影響のもと、ブドウ樹はよく伸びました。その後の開花時期に、強烈な風雨で気温がぐっと下がったことで、シャルドネ種に良く起こる花ぶるいやミルランダージュ(結実不良)を引き起こしました。続いて、猛暑と水不足がやって来ましたが、ブドウは収穫時まで健全な状態をキープすることが出来ました。白ワインは素直で真っすぐ、たっぷりとした豊かさがあり、アロマが非常にピュア、特筆すべきバランスの良さに恵まれています。要素が詰まっていてハッキリと明らか、リッチなタイプのワインを、活き活きとしたフレッシュ感が支えているという感じです(トマ・モレ)」。(リアルワインガイド75号より) |